2019年11月26日火曜日

リメイクおじさんの読書日記 「55歳からのハローライフ」②



55歳からのハローライフ 村上龍

第1話から お話を続けていきたい。定年退職 次の仕事が見つからない。そして、なんだか、自分が壊れた人間のように感じ始める。「役立たず」という言葉が、繰り返し頭の中で、鳴り響く。。 心の病。経済的な問題。。そして 多くは、熟年離婚へ ころがり落ちてゆく。

 では、ボランティアでも という甘い考え。会社人間として生きてきたスキルは、効率的に非人間的な生きる為の技術。それを、否定するつもりはない。

    が。しかし 家族や友人関係 地域社会の人間関係には、。。。

ここで最も 怖いことは、会社に貢献してきた自負。役に立つ人間としてのプライド。。
それら 今まで自分を支えてきた考え方。生き方を 変えられないし、それが、自分を苦しめる。という事実。

さてさて、一方 女性は、生活力 料理・洗濯。そうじ。などなど 暮らしのスキルをもっておられる。経済的な問題がクリアになるのなら、落ちぶれた男性より強いし、生きてゆく力もあるのかもしれない。

             もはや。何かが違ってきている。

では、すこし 「55歳からのハローワーク」から 引用させていただく。


「夫は、向かいのベンチの女にまったく注意を払わない。小学校の横断歩道で安全員をやり、児童の登下校に付き添っているらしい。だが、赤ん坊を抱き、寒さに震えている女にはまったく気づく様子がない。 (中略)」


  これを読むだけで 溜息がでるが、先へ進むことにする。


 確かに人生はやり直せるかも知れない。とくに、絶望や失意のあとでは、やり直せるはずだと思わないと生きていけないだろう。


だが、他に生き方を見つけるということで、単純に元に戻ればいいというわけではない。そして、人生はやり直しがきかないと思っている人のほうが、瞬間瞬間を大切に生きることができるような気がする。」


  とても感銘を受けた言葉であったが、主人公は、この後決心する。



一人で生きていこう。中米志津子はそう決めた。(中略)


 お金や健康など、不安はある。不安だらけと言ってもいい。だが、人生でもっとも恐ろしいのは、後悔とともに生きることだ。孤独ではない。夫と別れたあとに、向かいのベンチの女に声をかけてみよう。」  p69-70


   あえて言わせていただく 「仕事をなくした」だけなのだと
 「そんな簡単なことじゃないだろ。」 御叱りは、もっともである。


   とりあえず 仕事を論議の対象から、はずしてみる。


前述した主人公の言葉を、もう一度使わせていただくなら、
単純に元に戻ればいいというわけではない。

あなたは、単に 仕事の問題なのだと。。仕事さえ手に入れれば
今まで通りなのだと。。


 が。。人生の歯車は、回ってしまったのである。
もはや。仕事の問題ではなくなっているのである。

  怖すぎて、これ以上は、続けられないので、本日はこれまで。。


リメイクおじさんの読書日記 目録
https://remake-ukulele.hatenablog.com/entry/2019/11/20/072749







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